小学校の学級崩壊はどんな学級指導で防げるのか【教育実習生の視点】

教育

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関東の国公立大学教育学部に所属している大学生です。

先日、某小学校で1ヶ月間教育実習をさせていただきました。

その際、生徒指導担任の先生から学んだ学級指導に感銘を受け、より多くの教員に知っていただきたく思い、筆を執りました。

学級崩壊を作るのは学級指導であり、それを防ぐのも学級指導です。

具体的な学級指導の観点を9個ピックアップしたので、ぜひ参考にしてください。

本記事を読んでほしい人
・小学校教員を目指している学生
・新任の先生
・ベテランの先生

一介の教育実習生である私の立場から見た意見も入っていますが、現在教員をされている先生方にとっても、普段感じることのできないフレッシュな意見 として活用していただけるかと思います。

学級崩壊を未然に防ぐ学級指導の観点、ぜひご一読ください。

学級崩壊を防ぐ学級指導①「学校に行きたい」を…

①『「学校に行きたい」を作るのは担任の役目』

子どもたちが小学校に通う理由はなんでしょうか?

勉強するため、友達と遊ぶため、義務教育だから、なんとなく…などなど。
それぞれの家庭で理由がありますよね。

そしてそれと同時に、

学校に行きたくないめんどくさいと考える子(親)もいます

 

子どもたちが学校に行きたいと思わせるのは、俺たち担任の一番大きな仕事だ 。」

 

私が教育実習で入った6年1組の担任、佐々木先生(仮名)はこうおっしゃっていました。

学校は学びの場だけど、まずは子どもたちが学校を楽しい場だと思えるようにしないといけません。そうでければ、なんの学びも得られないです。

 

佐々木先生が毎日の朝の会で意識していることは、子どもたちを楽しませるということです。

そしてこの先生は本当に、毎日、有言実行しています。

健康観察のときは一人一人の言葉や様子を拾って笑わせて、“先生の話”では最近のニュースに対する持論を述べていたかと思えば、いつのまにか子どもたちを巻き込んで笑いの渦を巻き起こしています。

子どもたちに、今日一日が楽しくなるぞ!って思わせたいんだとおっしゃってました。

 

また、

帰りの会絶対に説教で終わらせてはいけません

子どもたちは暗い気持ちで帰ったら次の日学校に来る気が起きなくなってしまいますからね。

大事な心掛けです。

〈おすすめの教育書①〉

 

学級崩壊を防ぐ学級指導② 勇気のいる体験や…

②『勇気のいる体験や行動を多くさせる』

子どもは教えることで育つのではありません。

自分で体験して、考えて、数々の失敗を経験して成長していきます

小さいころにそういった経験を多くしている子は、強い心を持った人になります。

そのため、小学生の今の時期から大人と同じような経験をさせることが大事になってきます。


・もめごとを話し合いで解決させる
・ルールを作ること/守ることの意義を考えさせる
・選挙形式で立候補者の演説や投票をおこなう
などなど

たとえば、係やリーダーを決める際、選挙形式を導入したとしましょう。

立候補した子どもたちはその場で自分の決意や思いを演説し、その後の選挙によって民主的な勝ち負けを味わいます。

結果的に、

落選した子はその悔しさを味わい、当選した子もその責任を体感します。

子どもたちが勇気を出した先にある結末は、どんなものであろうと、その子らにとって大きな財産になるんです。

〈おすすめの教育書②〉
 

学級崩壊を防ぐ学級指導③ 決定権は…

③『決定権は子どもに』

小学校においては毎月さまざまな行事が行われます。学校全体で行うものからクラス単位で行うものまで。

クラス内でなにか決めごとをする際、佐々木先生は学級指導として、あえて児童に丸投げすることが多いとのことでした。

なぜか。

それはしこりを残させないため です。

子どもたちに「自分たちで納得できるような決め方にして。」との指示だけだして、あとは勝手に決めるのを待ちます。

使えるシーン
・係分担
・修学旅行の班決め
・席替えの方法
などなど。

日常生活のささいな場面で活用するのが有効的です。

子どもたち自身で選んだ決め方なので、皆、最終決定に不満を持ちません

 

また、これは保護者の方に説明するときにも大きく効力を発揮します。

「なんでうちの子が選ばれなかったんですか!」

などと言う親御さんも、児童の判断ならば納得せざるを得ません。

〈おすすめの教育書③〉
 

 

学級崩壊を防ぐ学級指導④ 先生を頼りに…

④『先生を頼りにさせない

頼りになる先生。

たしかにこれはいい響きかもしれません。

でもそれはいざという時にしか発揮されなくていい のです。

最終的に、クラスや学校を作り上げるのは子どもたち自身です。

あらゆることに先生の介入があると、子どもたちはそれを無意識に頼ってしまうようになります。

一番怖いのは子どもたちが、

先生の言うことは聞くけど子どもたち同士で聞きあおうとしなくなる ことです。

年の最初(クラス発足時)は先生が導くことが必要ですが、時間の経過とともに、担任の介入を少なくしていきましょう。

やはり、児童主体が大事です。

〈おすすめの教育書④〉
 

学級崩壊を防ぐ学級指導⑤ みんなと友達に…

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⑤『みんなと友達になるなんて不可能

みんなと友達になる必要なんてない。」

佐々木先生はよくおっしゃっていました。

社会にはいろんな人がいます。自分と合う人がいればそうでない人もいるのが当然です。

最近(令和元年)では、教員による同僚のいじめ(暴行事件と言ってもいいでしょう)が発覚し、大きな問題となりました。

これほどではないにしても、どの学校においても、職員室の先生方ですらみんな仲良しなんてことはほとんどないと思います。

ですが大人たちはそうしたコミュニティの中でうまくつきあっています。

小学校のクラスも一つのコミュニティです。

その中で合わない人もいます。

そういう子と無理して友達になる必要はないですが、

合わないからと言って邪険に対応するのではなくお互いに気分を害さないように接するすべを身につけさせましょう。

〈おすすめの教育書⑤〉
 

 

学級崩壊を防ぐ学級指導⑥ 教師を演じる

⑥『教師を演じる

教員という立場上、生徒を叱らなければならない場面は数多くありますよね。

私は教育実習生になって初めて実感しましたが、叱るのはとても難しいことです。

大事なポイントはこちら。

“怒る”と“叱る”はちがう

怒るというのは感情に任せて怒鳴りつけたり説教したりすること。
叱るというのは児童のためを思って、指導の一環として説教すること。

 

私の実習先の担任、佐々木先生はいつも児童を叱っていました。

子どもたちは気づいていないと思いますが、私たち実習生やほかの先生方はみんな気づいていることがあります。

 

それは、佐々木先生が怒ってる自分を演じている ことです。

 

子どもたちに説教するとき、佐々木先生はとても怖いです。というより怖く見えます。

ですが、先生は子どもたちの指導の一環としてあえて怒った雰囲気をつくっていました

近年、児童に嫌われることを恐れて、叱れない先生が増えていると聞きます。

たしかに嫌われてしまうのは怖いです。

ですが、そこに子どものためを思う気持ちがあればそれはきちんと伝わるのだと思います。

〈おすすめの教育書⑥〉
 

学級崩壊を防ぐ学級指導⑦ 叱った後は…

⑦『叱った後は必ず笑いに変えて

児童を叱ることのできる先生は多くいるかと思います。

佐々木先生がひと味ちがうと感じるのは、そのあとです。

 

先生は説教をした後、そのままの流れで必ず笑いに変える んです。

 

想像してみてください。ついさっきまで怒っていた人がいきなり明るくなって冗談をいいながら笑いだすんです。怖いですね。(笑)

やっぱりはたから見るとすごく不自然なんです。私が初めて見た時も、「んん??」ってなりました。

でもそうするのは先生の信念があってのことです。

学級崩壊を防ぐ学級指導①でも述べたように、子どもたちが学校に来たい!と思わせるのは担任の仕事 です。

指導が必要なときには全力で叱ります。

ただ、それにかこつけて他の事も叱ったり、不機嫌なまま授業に進んだりするのは、先生が自分の感情を優先していることになります。

一度指導したらそれで終わりでいいのです。

 

この考え方はとても大切なものですが、実際に行動に移すのはとてつもなく難しいことです。

普段から楽しいことや面白いことを探して生きている人こそできるんだと思います。

真似していきたいですね。

〈おすすめの教育書⑦〉
 

 

学級崩壊を防ぐ学級指導⑧ 三つの力

⑧『聞く力・発信する力・新しいものを生み出せる力

子どもたちに身につけてほしいものとして、三つの力があります。

なにか想像ついたでしょうか?
(※すでに上に書いてありますね…)

 

聞く力 ・発信する力・新しいものを生み出せる力 」です。

 

学級指導の際には、いかにしてこれらの力を伸ばせるか考え指導することが大切です。

それぞれについては私が説明するまでもないと思いますし、これは教員によってどう考えるかは変わってくると思うので、詳細については触れません。

ただ、

そういう思いを常に持ち続けることが大切 なのだと思います。

先生に一本の太い芯があれば、なにかあっても揺らぎません。

担任が強い人であることは、クラス運営の土台ですからね。

〈おすすめの教育書⑧〉
 

学級崩壊を防ぐ学級指導⑨ 先生自身が…

⑨『先生自身が学校生活を楽しむこと

結局はこれが一番大事なのではないでしょうか。

先生という職業はとても忙しく、常に責任がついてまわるため、気を張っているときが多いと思います。

ですが、それは児童に伝わってしまうし、心を開いてもらえません。

 

私は此度の教育実習でいろんな先生やクラスを見てきました。

 

クラスの色は担任の色 でした。

 

もれなくすべてのクラスに当てはまりました。

児童によってクラスが決まるのではないです。担任によって決まります

だからこそ、

先生自身が学校生活を楽しんでいないと、そのクラスが良いクラスになるわけがありません

〈おすすめの教育書⑨〉
 

 

学級指導の賜物

以上、小学校の学級崩壊はどんな学級指導で防げるのか【教育実習生の視点】でした。

学級崩壊を防ぐためのみならず、児童と先生皆が楽しめる学級を作るための観点を9つ挙げてきました。

長くなりましたが、最後まで読んでくださってありがとうございます。

ただベテランの先生が言うことを鵜呑みにするのではなく、教育を学ぶ一学生としていただいた指導をかみ砕き、自分のものとしてまとめてきたつもりです。

教員を目指す方はもちろん、現在教員の方でも、客観的目線として活用していただければと思います。

最後に、佐々木先生がくださったひと言を。

“理想のクラス”を作るのは不可能だけど、だからこそ学級指導/クラス運営は楽しいんじゃないか。

教員生活を楽しんでいけたらいいですね!

 

 

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